美須賀海運がIoS-OPの活用を開始
美須賀海運株式会社の新造船“MV MAINE SOLEIL”において、関係各社によりIoS-OP*1の活用が開始されました。
本船では、航海データ記録装置(VDR)からの情報や、主機関・発電機関・補機類から得る燃料消費量や消費電力などのデータに加え、喫水、軸馬力なども合わせた約800点の運航データが自動収集されています。寺崎電気産業株式会社が提供するオンボードデータプラットフォームTMIP(TERASAKI Marine Information Platform)*2を通じて収集およびIoS-OPのデータセンターへ陸上送信されたデータは、日立造船株式会社がIoS-OP上で提供する”HiZAS®VDA(Vessel Data Analysis)”*3で解析されます。美須賀海運は、IoS-OPの活用を通じ、監督がリアルタイムでメーカーが解析した本船の状態の把握やトラブルの未然防止を図るのみならず、燃費増加率を監視し、今後の環境規制への対応として実燃費格付け低下防止等が行えるシステム化を目指します。
ShipDCは引き続き、IoS-OPを核とした海事産業におけるデータの収集・流通・活用の基盤提供をステークホルダーと共に推進し、データの活用による船舶の安全、環境への貢献、経済合理性を追求してまいります。
以上
*1 IoSオープンプラットフォーム(Internet of Ships Open Platform)
船舶の運航データについて、船社などデータ提供者の利益を損なわずに関係者間で共有し、造船所、メーカーなどへのデータ利用許諾や各種サービスへの提供を可能とするための共通基盤。会員組織であるIoS-OPコンソーシアムには2022年4月末現在66の企業、組織が参加。一般財団法人日本海事協会の完全子会社である株式会社シップデータセンター(ShipDC)が、IoS-OPコンソーシアムの運営を行っている。
*2 寺崎電気が提供する船陸間データ収集プラットフォームサービスの総称。本件では船上データサーバーを本船に搭載し、VDRから航海系データを、データロガーから機関系のデータをそれぞれ収集しIoS-OPのデータセンターへ送信している。
*3 パフォーマンスモニタング、レポート機能、性能解析、機関状態診断システムを有した日立造船提供のアプリケーションソフト。